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勤め人の仕事を楽しむ日々

諦めるのも肝心である

これまでは「勤め人卒業」という呪縛を受けていたのだが、
よくよく考えてみれば、勤め人は快適である。
(ただし、自分の商品があればという条件は付く)

聖丁ラジオを聞いてから私も脅迫観念にも近い感覚で、
勤め人の給与を早く超えねば!
と思って自分のもう1つのビジネスを創造しようとしていた。
このブログもそんな「悪あがき」の残滓であるのだ。

よくよく考えてみたら、
私は既に2018年の時点で大家業を完成させていたわけだし、
ツライ勤め人をしていたわけでもない。
むしろ高給ホワイト労働をしていたのである。
そもそも聖丁ラジオの主張をすでに実行していたのだ。

妻が相続で私の年収に並んだこともあり、
変なプレッシャーから解放された。
さらに、大家業を無理に拡大させて、
家賃収入1億円!!!!
みたいな不必要なほどのカネを得る必要もないことを悟った。

20代前半ではないものの、
私には美しい妻もいるし、ムスコも3人いる。
非モテのオッサン大家ではない。

まさに物心両面、私の人生は成った!
と、言えるのである。

そう考えると、勤め人の仕事でもやるか。
という感覚になっている。
別に年収を上げたいわけでも、出世したいわけでもない。

「夢を叶える」なんてことを言い出す歳でもない。
将来への不安があるとすれば、
突発的な事故や病気くらいのものだ。
60歳までは無理だと思うが、
ギリギリまでこの業界で飯を食いながら、
大家業も巡航速度で拡大していけばいいだけである。

起業もクソもない。
既に法人決算6期目なのだ。

あえてブロガー(広告下請業)やら、転売業、飲食店、物販などする必要もないし、
やりたくもない。
貸金業はちょっとやりたいが、これは老後のオタノシミだ。
私もナニワ金融道が大好きなので、
貸金業を開業できる「法人純資産5,000万円」になって、
ムスコ達が成人するのを待ちながらじっくり準備しておきたい。

「諦める」と言うより、「すでに持っていた」ことに気づいた。
と、言うことだ。

勤め人としてのSAT

私の勤め人としてのキャリアは借金取りである。
金融債権専門である。

そういうと何やらカッコイイ響きもあるのだが、
なんのことはない。
「世界で一番楽な借金取り」と言っても過言ではない。
なにしろ、融資をしたのは「金融機関」である。

債権の証書もあれば、
債務者の印鑑証明書も添付してある。
取引の明細も完璧にそろっているし、
担保もある(ないときもあるが)。

裁判所に書類を持っていったら、
100%勝てるように書類は作られている。
弁護士監修で作成されて、日々アップデートされている債権証書があるのだ。
こんな簡単な借金取りはない。

しかし、
金融業界は面白いところで、
借金取りというのは日陰者の仕事というイメージがある。

半沢直樹が西大阪スチールでの一件を片づけて、
支店長に希望した異動先は、
「法人営業2部」である。
営業部門だ。
(半沢直樹が担当するのは、JALの再建など、債権回収の局面に近いことばかりだが(笑))

金融機関のエースたちが集まるのは「営業部門」なのである。
借金取りは出世コースから外れた、
窓際社員が集まる場所なのである。

金融業界の窓際、「債権管理回収」ここは非常に快適なのだ。
私がメガバンクの営業担当をしたら、100%ウダツの上がらない勤め人となっている。
しかし、ソコソコ有能な私は、
回収部門に所属することで、エースになれたのである。
エースになりつつ、大家業を回せる程度に成果を出す。

金融業界で勤め人大家をやるなら、管理回収部隊。
ここしかない。ここがオアシスだ。
私は狙ってここに来たわけじゃない。
しかし、結果的に良かった。
そんなことが私の人生には多い。

妻が将来相続する財産を目当てにして結婚したわけではないのと同様だ。
良好な学歴と、高い勤め人スキルを持って、
敢えて、競争が少ない分野に潜る。
これが一番正しい作戦である。

毎日信長の野望もできるし、スマホゲームの「出陣」で、
有酸素運動をしながら通勤も楽しむことが出来る。

私の今の勤め人仕事

土日祝日は休み、朝は8時から17時までの労働だが、
大体7時には出社して19時前には退社する。

出張もあるし、泊りがけの出張もある。
仕事は投資・回収である。
回収だけはなく、投資もやる。

不動産を買って、家賃収入を得て、タイミングが合えば物件も売却する。
という行為に似ている。
投資する対象が、不動産ではなくて、債権、株式に変わっただけである。
その意味で私の勤め人仕事は、大家業と非常に親和性が高い。
事実!私が大家業を始めた理由は、不良債権の回収をしていた時に、
担保不動産を買いに来た投資家と会ったからだ。

真山仁氏の「ハゲタカ」の世界だ。
まさに当時は外資系金融の独壇場だった不良債権の世界だが、
今は国内の金融機関の独壇場である。
私はずっとその世界でメシを食っている。

勤め先が買った債権の直接回収、
投資家が買った債権の回収受託。
今はファンドが買った債権の回収。

やっていることは全く変わらない。
どの会社に行っても業務は同じ。
どこの銀行からカネを借りても同じことであるように、
借金取りも、どこでやっても同じことだ。

ただ、給与や労働環境が異なる。
30代前半までは回収だけをやってきたが、
30代中盤からは投資も担当させられる。
業界経験が長いので、ほとんどの同業社に知り合いがいる。
そのコネを勤め先に売っているようなものだ。

とはいえ、自分で起業するのは難しい。
カネを引っ張って来て、運用して、金主に返さないといけない。
資金調達の力が必要な世界である。
勤め人として株主、経営者から使われる立場を脱出して、
投資家から使われる立場になるのもバカバカしい。
自分のカネで自分の小さな商売を回す方が気楽だ。

若い時分から起業して、
ベンチャーキャピタルのカネを入れて、
上場を目指すというのであれば、
アリかもしれない。
いかんせん私は若くない。
そもそも莫大なカネは欲しいが、
人生の莫大な時間という対価は払いたくない。

というわけで、日々、投資回収という勤め人をやっている。
今日は早く帰ろうとしていたのだが、
私が暇そうだと見抜いた上司から、
案件の査定を依頼されてしまった。
受けないと言う選択肢もあるが、
まだそのカードを切るほど追い込まれてはいない。
コーヒーでも飲みながらボチボチできるのだから、
悪くない。

やっていく。

つづく


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