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メンタルを壊して休職するという戦法

実は激務な私の勤め人

退職者が出て、相変わらず私の労働強化は続いている。

入社時は「債権回収をやってくれ、回収人材がおらん」
という触れ込みだった。

うむ、三顧の礼で迎えられて起たねば男ではない!
と、諸葛孔明もかくありや。
そんな具合で出盧職者が出て、相変わらず私の労働強化は続いている。入社時は「回収をやってくれ、回収人材がおらん」という触れ込みだった。うむ、三顧の礼で迎えられて起たねば男ではない!と、諸葛孔明もかくありや。そんな具合で出盧(しゅつろ)したのが、
はや12年前である。

入社早々まさかの投資実行後1か月で2億の粗利をたたき出し、
ファンドに残存する案件を全件利益を出して終了させたのが私である。
まさに鮮烈にデビューしたのも昔のことになってしまった。

私を採用した上司も去り、一人去り二人去り、
気が付いたら私が非役員では最年長になってしまった。

そろそろ、10年分の貯蓄を使い果たして、
「あのオッサンいつまでしがみついているんだ?」
という老害扱いを受ける始末。

最近も女性スタッフの退職者が出たのだが、
彼女は私の業務の一部を担当していた。
退職に伴って、彼女に依頼していた業務はどうなるのかと思ったら、
「SATさん一人でやってくださーい」である。

厳しいって、マジで厳しいって。

形式的運用責任者、コンサル業務も追加だ

10年も働いていると、ビジネス環境も変わる。
借金を回収しないのが今の金融のトレンドである。
アホみたいだ。

借りた金は返せるなら返すのが当たり前である。
返せないならさっさと破産なり法的整理をすればいい。

それを商売を続けたままで、返済条件変更で対応するとか、
金融債権者だけがババを引くような情勢が続いている。

昔は金融機関は預金を集めて貸していた。
その金集めに苦労したからこそ、
貸したカネが返されないことに本気で向き合っていたのだと思う。

しかし、

今では市場で簡単に調達できるから、
馬鹿みたいにお宅訪問して預金を集める必要などない。
タダみたいな労働力で仕入れた金なので、
扱いが雑なのである。

かくして日本の金融慣行は「借りたもの勝ち」になっているのである。
(とはいえ、返さずに逃げられるほど甘くもないが)

こうなってくると、
交渉力や裁判所を使った回収の知識を使うシーンが減る。
諸葛孔明も戦争がなければただの有能な政治家でしかない。

私はファンドの責任者(3つ)、さらに国内大手コンサル会社がやるような
財務分析やら経営改善についても担当するよう命じられるようになる。

いやいやいやいや、
不動産業界で言ったら、ワンルーム営業ゴリラに不動産鑑定をさせるようなもんだよ。
飲食店勤務だからって、接客のプロに料理はさせんだろうって、
それも40歳を超えて。

20代の若手と並べてこれをやらされるものだから、
仰天する。
ただ、イジメではなくて
50代中盤のオジサンにも同じことをさせていたので、
そういう考えなのだと思う。

このおじさんは病気になって在宅ワーカーになってしまって、退職した。
見よう見まねで本を読んで勉強して、なんとか形になったところで、
私は気づいた。

いや、まてよ。

この業務ができるようになって、
俺はどうなる?
3件4件5件と持たされて一兵卒のようになって、
投資判断がヘタクソな勤め人や政府への
説明資料を作らされるだけじゃないか?と。

気づいてしまった。
その瞬間、私はこの作業能力を磨くのをやめた。
できてしまうと、やってしまうものだ。

このケースでは「できない社員」になることが有効にワークする。
なぜならば、日本企業は正社員の整理解雇には極めて厳しい判断をするからである。
私をクビにするのはかなり難しい。
そこで担当させたら問題が起きる。
この状態まで持って行くのが最善だ。

お医者様でも外科の先生に精神科はやらせないだろう。
激務系の企業はこれを平気でやる。

出世した上司はそれができるから出世する。
自分ができるから人にもそれを求める。
結果不得意な人に不得意分野をやらせて、
社員を壊すのである。

壊しても、悪いと思っていない。
むしろ社員の方が悪いくらいに思っている。

無能な兵士などいない

管理職教育を受けていない、現場上がりの上司。
こういう人が非常に多い。

特に就職氷河期やら少子化で、
プレイングマネージャーが流行った。
要するに給料が変わらないのに仕事が増えただけなのだが。

これがまあひどい。
私が入社1社目で当たりを引いたのもこの上司だった。
銀行ではヒラだったくせに、
借金取りの会社に来てなぜか部長になって、
現場に出ながら部下も担当する。
(ちなみに当時の部下は全員部長よりシゴデキだった、役員にもなっている)

他人のマネジメントもしたことがないヤツが指示を出すのだから
指示に感情が混ざるし、相手の能力に合わせた助言もできない。

かろうじて学生時代からチームスポーツをやっていた人が
多少うまい管理ができる。

無能な一兵卒と言うのはいない。
軍規違反がないのであれば、一兵卒に有能も無能もない。
優秀な指揮官と、無能な指揮官がいるだけなのだ。

臆病な一兵卒であれば索敵、斥候、伝令に使えばいい。
勇猛果敢な一兵卒は前線で獅子奮迅の活躍をするかもしれないが、
戦後の領地で略奪や凌辱をするかもしれん。

最後の手段は休職だろう

最後の手段は色々あるが、
若くてまだ気力があれば転職できる。

財務が盤石でほかにやりたいことでもあれば
独立してもいい。

私は若くもないし、他にやりたいこともないから、
恐らく要求が通らなければ休職となるだろう。
ストレスから過食して体重も増えたし、
有給の消化率も悪い。
精神科医と面接をしたら、
ポロポロと涙を流して支離滅裂なことを言ってしまうだろう。
そうなったら、これはメンタルの病気ということで、
休職せざるを得ないな、これは。

Better Optionというウェブサイトによると
大企業でメンタル不調で休職する勤め人の割合は1%前後だという。

これを多いとみるか、少ないと見るかは意見が分かれるところだ。

現在進行でメンタル不調を患っている私に言わせると
「多い」

100万人の労働者のうち1%、つまり1万人は休職まで追い込まれているのだ。
1万人休職しているということは、それより遥かに多い数の勤め人が
「転職」しているし、「家族もあるから休職なんてできない」
と、歯を食いしばって無理な労働をしていることは容易に想像できる。

個人的には15%が精神的に苦境に立っているだろう。
のこり5%は動じない層だろう。
周囲の評価を気にしない連中だ。

転職活動ができるほど精神力が残っていればいいのだろうが、
年齢から転職が難しかったり、精神力がゼロだったりしたら
もう休職しかないだろう。

私もどうやらメンタルがやられてしまったようだ。
子供は3人もいて辞めるにやめられない。

このブログもメンタルの安定を保つために
かろうじてやれているに過ぎない。
私はそこまで追い込まれている!

さて、どうしようかな。

つづく

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