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勤め人卒業に「完璧なタイミング」はない

既に目標CF100万円/月を達成して久しい

2021年3月、今を遡ること3年、私は勤め人卒業の目標だったCF月100万円に達した。
私の不動産CF60万円弱のところに、妻の相続が月80万円。
ドンッ上乗せされてしまった。

例えるならば、そうだな。
勤め人として相手と難しい交渉を続けていたら、
いきなり、上司と相手の取引先の上司がマブダチで、
交渉条件がスッと通ってしまったような現場担当者の感覚。

必死に上田城で徳川秀忠を足止めしていた真田昌幸なのに
関ヶ原の合戦が速攻で終わってしまったような感覚だろうか。
結果的に勝っているので昌幸の例は適切ではないが、
まあ、そんな感じだった。
え?これでクリア?
という、大魔王を倒そうと思っていたのに、世界が平和になってしまった勇者の感じだ。

それはそうとして、
その後も私は冒険(勤め人)を続けている。
妻の希望でもあったのだが、
月140万円のCFは案外完ぺきとは言えない額である。

何しろ妻のCFの源泉は築40年以上経過したビルである。
確かに満室に近い状態で稼働しているものの
修繕のためのキャッシュは相続で妻の兄弟が持って行ってしまっている。
修繕積立金ゼロの築40年マンションを想像してみれば分かる。

建て替えはもちろん、大規模修繕もできない。
勤め人の収入で生活費をすべて賄えるのだから、
勤め人継続が1年続けば、修繕積立金は1,000万円/年積み立て叶姉妹だ。

当然、勤め人を続けるべきである。
私が卒業しても何も収益を生むビジネスがないのだから。

そうやって3年程経った。
順当に積立金も溜まっているが、
この原材料高騰のさなかにあって、ビル2本をより高層の1棟に建て替えするなんてことは、
10億からの世界である。
おまけにテナントの退去交渉はハードだろうし、
妻の親も姉も住んでいる。
退去させるだけで3年はかかるだろう。

3年の間賃料収入は消える。
いくら土地があると言っても、私が銀行員だったら2~3億の運転資金を
用意してほしいと思ってしまう。
大規模な建て替え、開発には想定外の支出があるものだ。

しかしだな、それを言い出したら、
十分な修繕積立金が溜まるまで私が勤め人を続けるというプラン。
これは結局、定年まで今の水準で勤め続けろと言われているに等しいのである。

そもそも、勤め人が一生働いたとしても、10階建のビルの建築費は稼げん!
私たち家族のプランは、間違っていると思う(笑)。

それから3年。2,000万円の修正申告納付のダメージからも回復して、
晴れて今年、約4年のインターバルを経て、2件の新規投資を行って、
私の不動産CFも70万円/月となった。
妻の自己資本(建て替え積み立金)も2,000万円を超えてきた。
想定通りではある。
あと5年も回せば私の不動産CF単体で月100万、積立金は6~7千万円に積みあがるだろう。
それでもあのサイズのビルの再建築はかなり苦しいだろう。
その時私は50歳。子供はまだ高校生と大学生だ。

仮にすべてが順調に進んだとしても、依然として完璧なタイミングではない。
その時も当然、「勤め人を続けるべき」という判断になることは容易に推測できる。
結局、勤め人を卒業できるのは
「勤め人よりも高収益に稼げる」という確証が得られるタイミングである。
しかし、そんな確証は絶対に得られない。
勤め人の稼ぎはある程度、「固い」
しかし、卒業後、本来の資本主義の世界では安定など存在しないのである。

卒業可能姉妹になって3年回してみた率直な感想である。
結局妻の相続でゴールしたのだが、その主力ビルを中心に人生が組み立てられようとしている。
いやいや、ビルより俺の人生の方が大事だ。
と、ふと思った次第である。

ビルの建替のために俺の人生があるのではない。
俺達の人生を豊かにするためにビルがあるのだ。

と、ここまで書いたところで電話が「プルりんこ」

10号物件、既に申し込みが入っているのだが、
リフォーム費用の見積もりがなんと32万円也

ハウスクリーニング68,000円
エアコン工事(新設)10万円
ドアノブ破壊 12万円
畳交換

あまりに使用状態がひどいので、
12万円を使用者に請求。
(支払われない場合には保証会社に代位弁済請求)
ハウスクリーニング代は事前に預かっているので、
トータル16万の支出だ。

家賃6万の家で30万円台の請求が普通に来る。
ひどい。
ひどすぎる。

12%で買ったから何とかやっていけるが、
これが8%だったらやっていけなかったと思う。

こういうことが繰り返されるので、
不動産CF100万円を達成したとしても、半分しか使ってはいけないのだ。
50万円で生活する。
残りの50万円はリフォーム費用にプールしていかなければならぬ。

当然だ。

話の流れ的には
勤め人卒業は踏み切るべきだ!
という感じでまとめようと思ったのだが、
やはり勤め人を続けるしかない。

そう、それはビルのためではない。
ビルの建て替えなんて勤め人の稼ぎだけではできんのだ。
築古のままあと20年なんとか回して建替資金をためるしかないと思う。

勤め人はできるところまで続けるが、
私も今の社長が退くタイミングでは辞めざるを得ないだろう。
次の経営者候補があからさまに排除してくるのが目に見えている。

労働基準法を盾に戦うこともできるが、
給料が高すぎるので、ある程度削られる。
それをしながら労働もしつつ、戦うよりは、
自分の会社で商売をした方がいい気がするのだ。

何はともあれ、
不動産事業、特に大家業ってヤツは本当に利幅が薄い。
利ザヤが取れないのだ。
色々な支払が発生する。
これで勝負し続けるなら、
仲介業という粗利の大きい商売に進出したり、
リフォーム、賃貸管理を内製化してコストを抑える必要がある。

もしくは他の粗利が大きい商売と組み合わせて
並走させるしかない。
私の場合には勤め人の稼ぎと合わせることでなんとか体裁を保っているに過ぎない。
勤め人の稼ぎがなくなったら、何かの事業が必須である。

補完事業(仲介業、リフォーム業、勤め人、その他)がない場合には
それこそ「規模の拡大」に走るしかない。
2億円の3%は600万円だが、
20億円の3%は6,000万円の理屈である。

事業の最終的な利益が小さいならば、規模の拡大でカバーするしかない。
そう言ってしまうと、大家業は小売業みたいな利ザヤで食っているビジネスだ。
どうように株式の配当金で生きるのも同じことだ。
株主への配当は当期純利益、税引き後のわずかなキャッシュから行われるのだから
家賃の手残りにも似ている。

結局うまくビジネスの仕組みを作ることからは逃げられない

勤め人と大家を組み合わせるにせよ、
何らかのビジネスをするにせよ、
うまいこと組み合わせて採算性を確保しなければならんということだ。

アフィリエイトで3,000万円の年収を確保したとしても、
1,000万円で暮らし、残りは不動産なり株式に投資し続けるなど。
何をやってもそうだ。

〇〇万円になったら卒業しようというのは1つの基準になるのだが、
結局、いつ卒業するにしても、その後も人生は続く。
人生が続く限りはカネがかかる。

勤め人を卒業したらしたで、何もしないので生きることはできないのである。
ある程度、見切り発車のような思い切りをやらなければ、
勤め人などそうそう辞められるものではないのだ。

自分が比較してしまうのは、
「給料をもらっていなる自分」と「給料をもらっていない自分」
だが、給料がなくなったら、当然時間も増える。
時間を使って稼ぐ自分と比較しなければならないはずだ。

今、邪魔ばかりしてくるシゴデキ上司がいなくなるだけでも
だいぶ楽になるはずだ。
案外思い切って飛び出してもいいのかもしれん。

だが、私も手堅い男なので、今の待遇が維持される間は、
居座る。
確信をもって居座る。

居座りゲームだ。

居て、座りながら卒業後の手を1つ1つ打っていく。

をはり

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